三角、ハニカム、カゴメ

 

 結晶全体が反転と鏡映を持たないキラル磁性体の研究を進めながら、結晶が局所的に反転中心を持たない物質がもつ性質についても研究をはじめました。

 骨格となるのは三角格子です。三角格子に原子1つ(・)を配置していくともちろん、三角格子ができます。三角形は反転中心を持ちませんから、三角格子は場所によっては反転をもちません。

 では、三角格子に原子2個の組(・・)を配置してみましょう。2個の原子間の距離によって形は変わりますが、ハニカム構造ができます。ハニカム構造も当然、場所によっては反転を持たないことになります。

 さらに、三角格子に原子3個からなる三角形(∴)を配置してみましょう。原子間の距離によって形は変わりますが、今度はカゴメ構造ができます。

 私たちの研究室では、三角、ハニカム、カゴメ構造に磁性イオンが配列した金属間化合物を合成して、新しい物性が発現しないかを研究しています。

5/10/2017)

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